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炎上する君炎上する君
(2010/04/29)
西 加奈子

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久しぶりに西加奈子さん。短編集です。


━─━─━─━─━─
私たちは足が炎上している男の噂話ばかりしていた。
ある日、銭湯にその男が現れて…。

何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、
小さいけれど大きな変化。

奔放な想像力がつむぎだす不穏で愛らしい物語。
━─━─━─━─━─

これはいい短編集です。

「太陽の上」で、生まれ変わる彼女に感動し
「空を待つ」で、なんだか切なくなり
「甘い果実」で、!?となり
「炎上する君」の、不器用な彼女たちを愛し
「トロフィーワイフ」では、ほほえましさを覚え
「私のお尻」で、ぞぞぞとなって
「舟の街」でふわふわとし

そして「ある風船の落下」。
このお話を読み終えることがまるで
風船が地上に落ちてきたことのように
読んでいた自分も、世界に戻ってきました。

なんだか色々な感情がわき出て
色々なとこを旅することも出来て
本当に、すばらしい短編集です。
久々に自信を持ってオススメできる一冊。


やはり気に入ったのは表題作の「炎上する君」。

足が燃えている男がいるそうです。
その男を見ると、とても幸運なことが起こるそうです。
主人公と、その親友は、とても独特な二人。
彼女たちは「炎上する男」に会いたい、と思っているのです。


恋の力は偉大だと、痛感させられます。
恋を描くのに、とびきり甘い文章でなくても
こんな力強い文章でも、恋独特のあの空気が伝わってきます。

お話の幕を閉じる、最後の文章が秀逸なのですが
あえて紹介したい、私が気に入った部分は、ここ。


幸運にあやかりたい、などと思うことはない。
幸運など、銭湯の温かい湯で十分だからだ。 ―――本文P80

この台詞は、主人公の強がり、と解釈するのが普通かもしれません。
でも、そう言い切ってしまえる強さがとても、羨ましかったのです。

なにげない、ありふれている日常を愛せる強さ。
ないものねだりばかりしてはいけないのですよね。


表題作以外も、力強い短編が満載の一冊。
本当にオススメです!
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【No title】
淡々と不条理を書き上げている感じがよく、一気に読み終えました。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
【Re: No title】
いつもご丁寧にありがとうございます^^

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恋に戦う君を、誰が笑うことができようか?。何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、小さいけれど大きな変化、奔放な想像力がつむぎだす不穏で愛らしい物語たち。 短編集。不思議な頭の中味を... ...

みやこの

Author:みやこの
favorite * 読書 〒

【2015年9月7日更新】
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