2017 / 10
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なぜかこのたび、純文学を読みました。
真珠夫人。
数年前、昼ドラになっていた作品です。
「恩讐の彼方に」で名前を知っている文豪の作品が
本当に昼ドラの原作??という興味を持って読みました。

━─━─━─━─━─
女の名は、瑠璃子。
真珠の如き凄艶な美貌を誇る男爵令嬢。

恋人と将来を誓い、幸福に彩られていたその運命を狂わせたのは、
思いもよらぬ奸計だった。

荘田勝平、一介の貿易商から身を興し、
大事業家にのし上がった男。
手に届かぬ清浄の美への嫉妬心から、
瑠璃子の父を陥れ、恋人との仲を引き裂いた。

金の力で愛を跪かせようとする男に、
女は純潔と媚態を武器に闘いを挑むことを決意する。
━─━─━─━─━─

下巻に収録されている解説で触れられていますが
まさしくこの作品が、件の昼ドラの原作だそうです。
純文学が、昼ドラ原作・・・
何だかすごいギャップを感じます。

とにもかくにも
この作品が描かれたのは、大正9年、1920年です!
90年近い前の作品です。

言葉遣いなど、見慣れない漢字表記はありますが
繰り返し記号(ゝなど)のルールさえ知っていれば
特に苦労することなく読めます。


物語は、渥美という男性が
ある青年と車に同乗し、目的地に向かう際
車が事故を起こし、その青年の最期を看取るシーンから始まります。

青年から「この時計を返して欲しい」と受け取った渥美。
渥美は、青年の残した手がかりから
瑠璃子という女性に出会い、面会を果たします。
が、その出会いですっかり瑠璃子に魅了される渥美。

瑠璃子は、若くして未亡人となっており
今では優雅にサロンを主催し、男性を侍らせる毎日。
なぜ、彼女はこのような生活を送るようになったのか・・・


というところから、瑠璃子が亡き夫と
どのように出会い、どのような結婚生活を送ったかという
彼女の過去の話が語られ
下巻にて再び、時間軸は元に戻っていきます。


1920年というと
女性は、今よりひどく窮屈な思いをしながら生きている時代。
その時代に、瑠璃子というキャラクターを描いた
著者は本当にすごいと思います・・・!!

下巻p147の瑠璃子の台詞は、すごいです。
平成の今の世の中じゃ、当たり前のことなんですが
女性がこれだけ女性としての生き方・権利を主張するシーンを
男性作家が、この時代に書いた、ということに感服します。

瑠璃子は、中盤まで
女子の自分からしても、怖い女性でした。
自分に自信を持っていて、男性を次々と手玉にとって
決して、友人には進んではなりたくない・・・
そんな女性でした。

でも、終盤になると
彼女、いい人なんですよね。
彼女の行動は、全て、復讐がエネルギーなので
やっぱり、怖いことは怖いんですけれど
そんな彼女の中にあった、ピュアな思いが
ラストシーンに見え隠れします。
瑠璃子の義理の娘、美奈子がp334で気づく瑠璃子の真意――

彼女は、素敵な女性でした。
いい作品です。


以下、蛇足ですが
個人的にはこの「真珠夫人」の前に読んでいたのが
しょうもないケータイ小説だったり
エログロ描写の多い小説でした。

苦手な文章が続いた後の、文学作品――。
・・・日本語って美しいと、心から思えた作品でもありました。
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みやこの

Author:みやこの
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【2015年9月7日更新】
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